高校卒業後、すぐに就職するという選択肢に対して、不安を感じる人は少なくありません。周囲が進学を選ぶ中、「自分だけ働くのは早すぎるのではないか」「本当に一人で生活できるのか」といった声もよく耳にします。特に土木業界は「きつい」「危ない」「給料が安い」といったイメージが先行しがちで、敬遠される傾向もあります。しかし、その印象は本当に正しいのでしょうか。
現実には、土木の仕事はインフラ整備など社会に欠かせない重要な役割を担っており、働き方も昔とは大きく変わってきています。資格取得や手当、福利厚生などを活用しながら、安定して働ける環境を整えている企業も増えています。今、あらためて「高卒で土木に就職する」という選択をフラットに見直すことが大切です。ここからは、その現実をひとつひとつ確認していきましょう。
実は月給20万円超も珍しくない?高卒初任給のリアル
高卒で土木業界に就職した場合、「給料は低い」「生活が苦しい」といったイメージを抱く人も多いかもしれません。しかし実際には、初任給で20万円前後を提示する企業も少なくありません。さらに、現場手当や資格手当、通勤手当などが加われば、手取りでも一定の生活水準を保つことは十分に可能です。実家を出て一人暮らしをするケースでも、寮や住宅手当が整備されている企業であれば、家賃や光熱費を抑えた生活も実現できます。
また、労働環境に関しても、かつてのような過重労働が当たり前という時代ではなくなっています。土木業界では週休二日制を導入する企業も増えており、有給休暇の取得促進や勤務時間の見直しに取り組んでいる例も見られます。とくに公共工事に携わる企業では、安全管理や労働環境の改善が重要視されるため、勤務体制も制度的に整いやすい傾向があります。
もちろん、夏場や寒冷地での作業など、体力的に厳しい場面があるのは事実です。しかしその分、現場の仲間同士で助け合う風土や、作業効率の改善に向けた機械化の導入など、負担を軽減する工夫も進んでいます。高卒だからという理由で待遇が劣るわけではなく、むしろ現場の最前線で活躍する立場として、しっかりと評価される仕組みができつつあるのです。
働きながら国家資格も取れる。高卒だからこその成長スピード
土木業界では、「早く現場に出て経験を積めること」が高卒就職の大きな強みです。大学で学んでから社会に出るのとは違い、18歳からすぐに実務に触れることで、仕事の感覚や段取り、周囲とのコミュニケーションが自然と身につきます。知識と経験の両輪が揃う頃には、20代前半で現場を任されるようになる人も少なくありません。
もう一つの特徴が、国家資格の取得を通じたキャリアアップです。代表的なものに「土木施工管理技士」がありますが、これは現場の責任者として必要とされる資格で、取得すれば役職や収入にも直結します。受験には実務経験が必要なため、高卒で早く現場に入った人ほど、取得までのスピードが速くなる傾向があります。つまり「若いうちに手に職をつける」ことが、将来の選択肢を大きく広げるのです。
さらに、多くの企業では資格取得を支援する制度が用意されています。受験費用の補助、外部講習の参加、試験前の勉強会など、働きながらでも学べる環境が整えられており、「仕事に慣れたら資格も取りたい」という意欲を後押ししてくれます。ここで得たスキルや資格は転職市場でも通用するものであり、万が一の環境変化にも対応しやすくなります。
学歴に頼るのではなく、実務と努力でキャリアを築いていく。その土台が整っているのが、今の土木業界です。
将来は現場監督、営業、設計…多様なキャリアの実例
「高卒で土木に就職=ずっと体力勝負の現場仕事」と思われがちですが、それは大きな誤解です。実際には、現場経験を積んだ後に、さまざまな職種へとステップアップしていく人が多くいます。たとえば、一定の経験と資格を得た上で「現場監督」へと進めば、工程管理や品質、安全など全体をマネジメントする立場になります。ここでは、現場での経験がそのまま活かされ、より上流の仕事を担うことになります。
さらに、施工会社によっては営業職や設計職へとキャリアを広げる人もいます。営業職であれば、自治体や企業との打ち合わせ、見積作成、契約対応など、コミュニケーション力を活かした働き方が中心となります。設計職では、CAD(図面作成ソフト)を使って構造物の計画を立てるなど、より専門的な知識が求められますが、現場経験があることで、より実用的な提案ができるという強みも発揮されます。
もちろん、すべての人が「管理職」や「内勤職」を目指すわけではありません。現場を支える技術者として長く働き続ける選択も十分に価値あるキャリアです。自分の得意分野や興味に応じて進む道を選べるのは、土木業界の柔軟性のひとつと言えるでしょう。
このように、「体を動かすだけの仕事」では終わらないのが、今の土木の世界です。現場から始まり、未来へとつながるキャリアをどう描くか。それは、高卒だからこそ早く選べるという面もあるのです。
「就職してよかった」と語る若手たちの本音
高卒で土木の世界に飛び込んだ若手たちに話を聞くと、「不安はあったけれど、今はこの道を選んでよかったと思っている」という声が多く返ってきます。たとえば、最初は工具の名前すらわからなかったという18歳の新人が、3年後には後輩に仕事を教える立場になっていたり。現場で少しずつ仕事を覚え、「自分の仕事が地図に残る」実感が持てたとき、手応えと誇りが生まれるようです。
もちろん、最初から順風満帆というわけではありません。朝が早い、体がきつい、うまくいかないこともある。それでも、先輩や職長が気にかけてくれたり、ミスしてもすぐにフォローしてくれる環境があることで、「もう少し頑張ってみよう」と思えるとのこと。技術や資格だけでなく、人との関係性を通じて成長できるのも、現場で働く魅力の一つです。
また、「早く自立したい」という理由で就職を選んだ人は、数年後に車を買ったり、実家を出て生活するなど、目に見えるかたちで成長を実感しています。自分で稼ぎ、自分で暮らすことの意味を若いうちに体験できるのは、大きな財産になります。
こうした話を聞いていると、「高卒で働くこと=妥協」ではなく、「早く現場で成長したい」「手に職をつけたい」という前向きな選択であることがわかります。土木という仕事には、目に見える成果と、支えてくれる仲間がそろっています。もしあなたも、自分の力で一歩を踏み出したいと思っているなら、まずはこちらの採用情報をご覧ください。
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「進学か就職か」ではなく、「自分に合う道」を選ぶ時代
高卒で土木業界に就職するという選択は、決して消極的なものではありません。むしろ、自分の手で社会に関わり、確かな技術を身につけていくという、非常に実践的な道です。進学にも価値はありますが、働きながら成長することでしか得られない経験や人間関係も確かに存在します。
早くから現場に立つことで、責任を持つ機会も早く訪れます。それがプレッシャーになることもありますが、同時にそれが自信に変わっていく過程には、大きな意味があります。学歴よりも、積み重ねた実績と信頼がものを言う世界で、自分の力を試してみたいと考えるなら、土木の現場は十分に応えてくれるでしょう。
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