大学進学が当たり前のように語られる中で、「本当にこの選択でよかったのか」と感じている人は少なくありません。高い学費を払いながら、何となく授業を受け、将来の目標が定まらないまま過ごす毎日に、違和感を覚える若者もいます。周囲は「大卒が有利」と言うけれど、自分の性格や希望に合っていないと感じる場面もあるはずです。
そうしたなかで、「高卒で就職しておけばよかったかもしれない」と思う気持ちが頭をよぎるのは、決して特別なことではありません。実際、早くから働き始めた同級生が、現場で活躍していたり、経済的に自立している様子を見ると、自分との違いに焦りを感じることもあります。
今さら方向転換なんてできない、と思う必要はありません。一度選んだ道を修正するのは、恥ずかしいことでも遅いことでもないのです。
学費・時間・将来不安…進学後の「理想と現実」のギャップ
「大学に入れば未来が開ける」と信じて進学したものの、実際に感じるのは理想とのズレかもしれません。授業は座学中心で、実務に直結する内容が少ない。講義を受けて単位を取っても、何が身についたのか実感しづらい。そんな思いを抱える学生は決して少数派ではありません。
さらに、経済的な負担も見過ごせません。私立大学であれば4年間で数百万円、生活費も含めればさらに大きな金額になります。奨学金を借りた場合は、卒業後に返済が始まりますが、その時点でやりたい仕事が見つかっていなければ、経済的にも精神的にも重くのしかかってきます。
一方、周囲の高卒就職組がすでに数年の経験を積み、収入を得ながら自立している姿を見ると、自分は何をしているのだろうという気持ちになる人もいるでしょう。特に手に職をつけられる業界に就いた人は、若くして職責を任され、着実に成長していきます。このような違いが、進学ルートの中での「後悔」につながることは少なくありません。
地に足のついたキャリア。若手が活躍できる土木の強み
土木業界は、公共インフラやまちづくりに欠かせない存在です。道路、橋、上下水道など、人々の暮らしを支える仕事は、時代が変わっても需要がなくなることはありません。高齢化による人手不足も重なり、若手の力が強く求められている分野でもあります。
高卒で早くから現場に入り、経験を積みながら国家資格を取得していく流れが確立しており、成長の実感を持ちやすい点も特徴です。「早く一人前になりたい」「学びながら稼ぎたい」という思いを持つ人にとって、土木は非常に相性の良い業界だと言えます。
また、見えない仕事ではなく「完成物が街に残る」仕事であることも、大きなやりがいになります。図面の通りに構造物が形になり、人々に利用されている様子を見ると、社会に貢献している実感を持ちやすいという声も多くあります。
将来的には現場の指揮をとる立場や、設計・営業などへステップアップする道も用意されています。土木の世界には、「高卒だからこそ伸びる」キャリアの形が、確かに存在しているのです。
既卒・フリーターからの土木就職は珍しくない
「もう大学に進学してしまった」「すでに他の道を選んでしまった」と感じている方でも、土木業界への道が閉ざされているわけではありません。実際、20代前半〜後半で異業種から転職してくる人や、高卒後しばらくアルバイトをしていた人が、未経験から現場で働き始める例は数多くあります。
土木業界は経験者が重宝される世界ですが、それと同じくらい「やる気のある未経験者」も歓迎される傾向があります。なぜなら、若いうちから現場で仕事を覚え、チームの一員として動けるようになれば、将来の戦力として育成できるからです。実務経験を重ねながら国家資格の受験条件を満たしていけば、数年以内に施工管理職として活躍することも十分可能です。
選考においても、学歴や経験より「人柄」「継続力」「社会人としての基本」が重視されます。履歴書や面接で大切なのは、自分がなぜ土木業界で働きたいと思ったのかを素直に伝えること。特別なスキルはなくても、「地道にがんばる」「人と協力できる」といった姿勢はしっかり評価されます。
キャリアのやり直しに遅すぎるということはありません。むしろ、いったん別の選択をしたからこそ見えてくる「働く意味」や「手に職の価値」に気づき、納得感を持って土木業界に進む人が多いのです。
職場見学・インターンを活用して「後悔しない選択」を
進学か就職かで迷ったとき、本やネットの情報だけで判断するのは難しいものです。特に土木業界のように現場仕事が中心となる分野では、実際に足を運んで職場を見ることが、最も確かな判断材料になります。「きつそう」「危なそう」といった先入観も、現場で働く人たちの様子を見れば、ずいぶん印象が変わることもあります。
多くの建設会社では、見学やインターンの機会を用意しています。数時間の同行や作業体験を通じて、職場の雰囲気やチームの関係性、仕事内容の流れなどが体感できます。そうした場では、社員がどんな表情で働いているか、若手がどれくらい活躍しているかといった「リアルな空気感」がつかめるため、「思っていたより自分にもできそう」と感じる人も少なくありません。
また、見学に行くことは企業との接点にもなります。「少しでも興味がある」「話を聞いてみたい」という段階でも、歓迎されることが多いため、気負わずに連絡してみるとよいでしょう。
就職は一生を左右するように思えますが、まずは「知ること」が第一歩です。迷っているなら、まず現場を見てみる。その上で「ここならやっていけそう」と思えたなら、それがあなたにとっての正解かもしれません。
→ https://www.maeda-kensetsu.jp/recruit
「どこに進むか」ではなく「どう進むか」が大切
今は、進学しても就職しても、必ずしも正解が一つではない時代です。大切なのは「肩書き」や「世間体」ではなく、自分の中で納得できる選択かどうか。土木の仕事は、簡単ではないけれど、目に見える形で成果が残り、技術や信頼が着実に積み重なる世界です。
どのタイミングでその道に入ったとしても、しっかりと向き合えば、将来の選択肢は自然と広がっていきます。「もしあのとき別の道を選んでいれば」と後悔するよりも、今できる行動をひとつひとつ重ねることが、後悔しない未来につながります。
まずは自分の目で現場を見て、自分の言葉で働く意味を考えてみてください。土木の世界が、あなたの新しいスタートになるかもしれません。

